私の母
私の両親は、私が9歳の時に離婚した。
母が父に見切りを付け、弟だけ連れて好きな男性の元へと家出。
後日、話し合いの結果、離婚成立。
弟もほどなくして我が家へ戻って来た。
当時は、子どもだったこともあり、母への恨みつらみが山盛りであった。
年上だからと言って、なぜ私だけ置いていかれたのだろう、なぜ両親は離婚しなければならなかったのだろう。
分からないことだらけ。
しかし、祖父母や父の愛情に囲まれ、そんなに(笑)ぐれることなく素直に成長。
弟は一時期不安定で、大変だったが、まあまあまともに育った方だと思う。
大人になった今、母とは普通に交流している。
高校生、大学生、社会人、30代頃までは、数年に1回程度の付き合いがあったのだが、母に対して良い感情は持っていなかった。
30代後半、私も親の二の舞を踏み、前夫と上手く行かなくなり、その後離婚。
やっと母の気持ちを理解しようと言う気になった。
自分も同じ経験をしたから分かるが、離婚は片方だけが悪いのではない。
お互い足りないところがあったから、離婚するのだ。
私が離婚した頃からは、世間一般と同じような親子関係となり、今は私の再婚相手ともとても仲が良く、しかも離婚した私の父ともお友だち付き合いをし、元家族・現家族ごっちゃとなって食事したりしている(笑)
父と母の再会は、母の母、私の祖母の葬儀であった。
亡き祖母が二人を結び付けてくれたのだろう。
母も再婚相手が数年前に亡くなり、義理の息子夫婦と同じ敷地内で暮らしているが、身軽な身の上となり、父と交流する余裕が出来たようだ。
家族皆、複雑な気持ちになることはあるかも知れないが、今は仲良く笑って同じ時間を過ごせることは本当に幸せだと思う。
我が父は問題もあるが、浮気して出て行った元妻を許し、昔の友だちのように接することの出来る器の広さは、本当に尊敬している。